【2023年度最新】都道府県EV普及状況。人口あたり普及台数は岐阜県が54.6台で1位
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価格帯から機能性に至るまで多種多様なEVの選択肢が広がっている昨今、さらなるEVの普及が期待されています。日本のEV・PHEVの新車販売比率は4%前後ですが、各地域での普及状況にはどのような差があるのでしょうか。
この記事ではさらに細分化して地域別の普及率やその要因について解説します。
都道府県別のEV普及率 首位は岐阜
順位 | 都道府県 | 人口1万人あたりの EV / PHEV普及台数 | 人口 (2022年10月) | EV / PHEV普及台数 (2009-2022総計) |
1 | 岐阜県 | 54.6 | 1,946,000 | 10,626 |
2 | 愛知県 | 49.8 | 7,495,000 | 37,292 |
3 | 福島県 | 45.8 | 1,790,000 | 8,200 |
4 | 佐賀県 | 45.4 | 801,000 | 3,636 |
5 | 福井県 | 44.9 | 753,000 | 3,384 |
上の表は一般社団法人 次世代自動車振興センターの発表しているEV・PHEVの2009年度から2022年度までの補助金交付台数、および2022年10月時点の人口統計調査をもとにエネチェンジが算出した都道府県別のEVの普及ランキングです。
人口1万人あたりのEV・PHEVの普及台数を比較したところ、全国首位は岐阜県という結果になりました。次いで愛知県、福島県が続きます。4位は佐賀県、5位は福井県と地方での普及が目立ちます。(すべての都道府県のランキングはコチラをご覧ください)
意外に思われるかもしれませんが日本の “EV先進地域” は岐阜県です。岐阜県は2015年から8年連続で首位を維持しており、人口1万人あたりの普及台数は、2015年時点で15.1台であったのに対し、2022年では54.6台です。過去8年で360%の成長をとげています。また、普及総台数でも岐阜県は10位にランクインしています。
自治体による普及推進
岐阜県は2050年までに温室効果ガス排出量を実質ゼロにすることを目標としており、その取り組みの一環としてEVの普及を推進しています。山間地のガソリンスタンドの閉鎖問題を抱える岐阜県において、自宅でも充電できるEVの普及は交通課題の解消策のひとつです。
また、岐阜県は国の補助金と併用できる独自のEV充電補助金制度を設けている自治体のひとつ。「充電インフラ」とも称されるEV充電器の普及が、EV普及に繋がる好例と言えるでしょう。
県は官民共同で公共施設へのEV充電器の普及に取り組んでおり、とくに道の駅については、県内56カ所のうち41カ所に急速充電器を設置し、7割以上の設置率となります。なお、EV普及率2位の愛知県の道の駅へのEV充電設置率は83%、3位の福島県は83%といずれも高い設置率となっています。
国や自治体の後押しを受けたエリアから、EVシフトが加速していることがわかります。
台数別のEV普及率 首都圏が上位
順位 | 都道府県 | EV / PHEV普及台数 (2009-2022総計) |
1 | 東京都 | 40,733 |
2 | 愛知県 | 37,292 |
3 | 神奈川県 | 28,529 |
4 | 大阪府 | 20,590 |
5 | 埼玉県 | 19,480 |
6 | 福岡県 | 18,137 |
7 | 兵庫県 | 17,111 |
8 | 千葉県 | 16,535 |
9 | 静岡県 | 14,717 |
10 | 岐阜県 | 10,626 |
人口あたりのEV普及台数では岐阜県、福島県などの地方が目立ちましたが、普及台数別(EV補助金交付総台数で換算)で比較すると人口に比例するような結果となりました。
1位は東京都(4.1万台)、2位は愛知県(3.7万台)、3位は神奈川県(2.9万台)、4位は大阪府(2.1万台)、5位は埼玉県(1.9万台)となります。
都市部でもEV普及に向けた取り組みが積極化しています。東京都は2030年までに集合住宅に6万口のEV充電器を設置することを目標に掲げ、補助金事業や義務化施策が行われています。台数別で3位の神奈川県でも、横浜市・横須賀市ではe-Mobility Power社や弊社と提携したEV充電の普及拡大が進められています。
前項でも述べたように、政府や自治体の主導によるインフラ整備が、EV普及の足がかりとなっています。
高まるEVのトレンド
日本政府は2035年までに乗用車の新車販売における電動車の比率を100%にする目標を掲げており、国内自動車メーカーもこの目標を見据えたEVの開発に注力しています。
とくに2021年から2022年までの1年間は軽自動車を含む20車種以上の新型EVが日本で発売され、日本のEV普及が大きく前進する1年となりました。
つづく2023年も15の新型EVが発売され、本格的なEVの盛り上がりが垣間見えます。
価格帯から機能性に至るまで、EVの選択肢が大きく広がった結果、EVを購入する動機が「環境に良いから」という理由だけでなく「この車種に乗りたいから」など個人の嗜好に基づく選択にまで拡大しています。
関連記事:エネチェンジがEVユーザーにアンケートを実施 「次もEVを選ぶ」が9割という高い満足度の反面、充電インフラ環境の課題感
日本全体のEV普及状況
ガソリン車に対する規制や補助金・税制優遇などの施策で日本に先駆けてEVの普及を推進してきた他国の例を見ると、新車販売におけるEVの比率が3~4%に到達した翌年から一気に普及が飛躍する傾向が確認できます。たとえばイギリス * における2009年のEVの販売比率は3.2%でしたが、翌年2010年には11%にまで成長しており、2022年現在は23%となっています。
図表:「Global EV Data Explorer」より引用。表中の「EV」はBEVとPHEVを示します。
現在の日本の新車販売におけるEVの比率は4%前後。2023年9月には、EVおよびPHEVの年間販売台数が累計10万台を突破しました。爆発的な普及の目前です。日本も着実にEVシフトの波に乗ってきていると言えるでしょう。
参考出典:Global EV Data Explorer, IEA
EV充電の普及も急がれる
EVの普及にあわせて重要視されるのがインフラであるEV充電器です。日本政府は、2030年までに15万としていた設置目標を倍増させて30万口に引き上げる新指針を示しています。従来までの目標の2倍、現在の10倍に相当する設置口数です。事業者は補助金や規制緩和により、高性能なEV充電器を低コストで導入できる見通しです。
ひとえに「EV充電」といっても、利用シーンはいくつかに分類できます。EV充電には、自宅などで行う「基礎充電」、移動途中に充電スタンドに立ち寄る「経路充電」、出先の商業施設の駐車場などで行う「目的地充電」の3つがありますが、それぞれの利用シーンによって必要とされるEV充電器は異なります。
「急速充電器」が求められる商業施設の例
主に経路充電で利用される急速充電器は次のような場所に設置されています。
・高速道路のSA/PA
・道の駅
・コンビニ
「普通充電器」が求められる施設の例
目的地充電が多い普通充電器は次のような場所に設置されています。
・月極駐車場、コインパーキング
・道の駅
・ホテル、旅館
・ゴルフ場、ゴルフ練習場
・遊戯施設
・飲食店
・集合住宅
まとめ
この記事では各都道府県別のEVの普及率をお伝えしました。都市部だけでなく各地方でもEVシフトが進んでいることがわかります。とくに、国や地方自治体によるインフラ整備が進んでいるエリアでは、普及率の伸びが確認されます。
エネチェンジでは、補助金・支援金を利用したEV充電器の設置促進を行っています。EV充電器の導入をご検討の方はぜひお声がけください。「施設にEV充電のニーズがあるのかどうか」「実際にどれくらいの利用が見込まれるのか」といったようなご質問も承ります。どうぞお気軽にご相談ください。
※全都道府県データ一覧
順位 | 都道府県 | 人口1万人あたりの EV/PHEV普及台数 | 人口 (2022年10月) | EV/PHEVの普及台数 (2009ー2022総計) |
1 | 岐阜県 | 54.6 | 1,946,000 | 10,626 |
2 | 愛知県 | 49.8 | 7,495,000 | 37,292 |
3 | 福島県 | 45.8 | 1,790,000 | 8,200 |
4 | 佐賀県 | 45.4 | 801,000 | 3,636 |
5 | 福井県 | 44.9 | 753,000 | 3,384 |
6 | 岡山県 | 44.4 | 1,862,000 | 8,274 |
7 | 大分県 | 44.1 | 1,107,000 | 4,886 |
8 | 山形県 | 43.8 | 1,041,000 | 4,556 |
9 | 三重県 | 42.3 | 1,742,000 | 7,366 |
10 | 滋賀県 | 41.5 | 1,409,000 | 5,851 |
11 | 富山県 | 41.3 | 1,017,000 | 4,203 |
12 | 静岡県 | 41.1 | 3,582,000 | 14,717 |
13 | 山口県 | 40.9 | 1,313,000 | 5,373 |
14 | 石川県 | 39.7 | 1,118,000 | 4,439 |
15 | 群馬県 | 39.1 | 1,913,000 | 7,475 |
16 | 山梨県 | 38.9 | 802,000 | 3,117 |
17 | 福岡県 | 35.5 | 5,116,000 | 18,137 |
18 | 島根県 | 35.3 | 658,000 | 2,320 |
19 | 栃木県 | 35.1 | 1,909,000 | 6,704 |
20 | 茨城県 | 34.5 | 2,840,000 | 9,803 |
21 | 長野県 | 34.4 | 2,020,000 | 6,945 |
22 | 和歌山県 | 34.3 | 903,000 | 3,099 |
23 | 熊本県 | 34.0 | 1,718,000 | 5,838 |
24 | 兵庫県 | 31.7 | 5,402,000 | 17,111 |
25 | 鳥取県 | 31.5 | 544,000 | 1,712 |
26 | 秋田県 | 31.0 | 930,000 | 2,884 |
27 | 神奈川県 | 30.9 | 9,232,000 | 28,529 |
28 | 京都府 | 30.8 | 2,550,000 | 7,866 |
29 | 香川県 | 30.1 | 934,000 | 2,813 |
30 | 徳島県 | 30.0 | 704,000 | 2,113 |
31 | 奈良県 | 29.3 | 1,306,000 | 3,823 |
32 | 東京都 | 29.0 | 14,038,000 | 40,733 |
33 | 鹿児島県 | 27.9 | 1,563,000 | 4,367 |
34 | 高知県 | 27.8 | 676,000 | 1,878 |
35 | 長崎県 | 27.3 | 1,283,000 | 3,498 |
36 | 埼玉県 | 26.6 | 7,337,000 | 19,480 |
37 | 千葉県 | 26.4 | 6,266,000 | 16,535 |
38 | 宮崎県 | 26.3 | 1,052,000 | 2,766 |
39 | 宮城県 | 25.1 | 2,280,000 | 5,730 |
40 | 愛媛県 | 25.1 | 1,306,000 | 3,278 |
41 | 広島県 | 24.8 | 2,760,000 | 6,858 |
42 | 岩手県 | 24.6 | 1,181,000 | 2,904 |
43 | 新潟県 | 24.4 | 2,153,000 | 5,255 |
44 | 大阪府 | 23.4 | 8,782,000 | 20,590 |
45 | 青森県 | 19.3 | 1,204,000 | 2,322 |
46 | 沖縄県 | 18.0 | 1,468,000 | 2,645 |
47 | 北海道 | 16.3 | 5,140,000 | 8,364 |