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【ドライバー向け】初めてEVを購入する人必見!知っておきたい6つのEV充電基礎知識

更新日:

EVを購入したいと思っている人の中には、充電器の種類や設置場所、充電料金について分からないという人も多いのではないでしょうか?今回は、EV購入前に抱えている疑問や不安を解消し、快適なEVライフを実現するための6つのEV充電基礎知識を紹介します。ぜひ最後までご一読ください。

※「EV」は、BEV、HV、PHEV、FCVなど電気を使って動く車両全般を指す表現として用いられる場合もありますが、本記事では特別な注記がない場合には、BEV(電気自動車)を指します。

EV充電器の種類

EV充電器は、EVに電力を供給するための設備のことです。EVはバッテリーに充電された電気のみで走行するため、EV充電器は必要不可欠です。ガソリン車の場合は、ガソリンスタンドでガソリンを給油しますが、EVの場合は自宅や外出先にある充電スポットで充電することになります。この項では、EVに欠かせないEV充電器の種類について解説します。

◎EV充電器は大きく分けて2種類

EV充電器には、大きく分けて「急速充電器」と「普通充電器」の2種類があり、その違いは充電出力(kW)の大きさにあります。

充電スピードは、充電出力の大きさに比例します。充電出力が大きい急速充電器は、普通充電器に比べて短時間で速い充電が可能です。一方、普通充電器は、急速充電器に比べて充電出力が低いため、長時間の充電に向いている充電器です。

普通充電器にはコンセント型とケーブル一体型の2種類があります。コンセント型の充電器は、機器が安価で設置工事が容易なため、戸建てへの設置に向いています。ただ、機器本体にケーブルが付属していないため、EVと機器をつなぐための専用ケーブルを別途用意する必要があります。

一方、ケーブル一体型の充電器は、機器本体にケーブルが付属しているため、自前で専用ケーブルを用意する必要がなく、手間や手順が少なく済みます。コンセント型に比べると出力が高い傾向にありますが、工事費や充電器本体の価格がコンセント型に比べてやや高いため、マンションなどの集合住宅や公共施設に設置されることが多いです。

◎急速充電と普通充電のメリット/デメリット

では、外出先で充電器を利用する場合、急速充電と普通充電のどちらが適しているのでしょうか。それぞれのメリットとデメリットをみていきます。

急速充電の最大のメリットは充電スピードの速さです。高出力のため、普通充電に比べて短時間で充電することができます。デメリットは、充電中に長時間その場から離れられないことです。急速充電には、原則「1回30分」という時間制限のルールがあるため、一度その場から離れたとしても30分以内に車に戻る必要があります。このような特徴から、急速充電は移動途中の継ぎ足しや、滞在時間の短い施設での充電に適しています。

普通充電のメリットは、時間制限がないため、長時間施設に滞在する場合にも時間を気にする必要がない点です。例えば、レストランで食事をする際やショッピングモールで買い物をする際、急速充電の場合は30分で車を充電器から移動させる必要がありますが、普通充電であれば途中で駐車場に戻る必要はなく、ゆっくりと滞在時間を楽しむことができます。デメリットとしては、出力が低いため充電に時間がかかるということが挙げられますが、これはあくまで急速充電器と比較した場合のデメリットです。

充電の速さだけを見ると、急速充電の方が良いと感じるかもしれませんが、急速充電と普通充電とでは役割が異なります。EVユーザーは、充電スポットでの滞在時間や目的といった状況に応じて充電器を使い分けることが必要です。

ポイント
EV充電器は2種類あり、それぞれメリットもデメリットも役割も違う!
・急速充電器は出力が高く短時間で速く充電できる。
・普通充電器は低出力な分ゆっくり充電でき、時間制限がないため充電中に車から離れても良い。 
→ケースバイケースで充電器を使い分けることが重要!

EV充電器の設置場所

前述した2種類のEV充電器は、役割に応じて適切な場所に設置されています。では、実際にどのような場所に設置されているのか、具体的に解説していきます。今後、外出先の充電スポットを利用する際の参考にしてみてください。

◎主な設置場所

現在国内には、急速充電器が8,125台、普通充電器が11,944台設置されています*。

*2023年8月24日時点(EVsmart調べ)

中でも、急速充電器は短時間で充電が可能であることから、利用者が移動の途中に立ち寄る場所や、滞在時間が短い施設に設置されている傾向があります。

一方で、普通充電器は長い時間をかけて充電することから、長時間滞在する時間を利用して充電できる宿泊施設やレジャー施設などに設置されている傾向があります。商業施設など、訪れる人によって滞在時間が異なる施設には、急速充電器と普通充電器の両方が設置されているケースもあります。そういった場合には、滞在時間に応じて機器を選定するのが良いでしょう。

◎EV充電の利用シーン

主に、EVユーザーが充電器を利用する充電シーンは3つあり、それぞれ基礎充電、経路充電、目的地充電と呼ばれ、EVユーザーの行動を基準に区分されています。EV充電器は、EVユーザーの充電スポットでの滞在時間や目的など、充電シーンを考慮して設置されています。

・基礎充電

基礎充電は自宅や会社の駐車場など、EVユーザーが日常生活で最も滞在する場所で行う充電のことです。車を使わない時間を活用して長時間充電することから、基礎充電では普通充電器が活用されています。

・経路充電

経路充電は、移動途中での充電を指し、目的地に着くまでに足りない電力を補う充電のことです。短時間での充電が求められることから、経路充電では主に急速充電器が設置されています。

・目的地充電

目的地充電は、外出時の目的地で滞在中に行う充電のことで、ショッピングモールや宿泊施設、レジャー施設など、一定の時間滞在する場所で施設を利用しながら充電することを指します。長時間滞在することを考慮して、普通充電器が設置されているケースが多いです。

多くのEVユーザーは、その日、EVでどれくらいの距離を走行するかに合わせて充電計画を立てています。例えば、高速道路を使って遠出をする場合、立ち寄ったSAでトイレを利用する合間に急速充電器で充電し、目的地に着くまでに足りない分の電力を補充します。目的地に到着してからは、目的地に設置してある普通充電器を利用し、到着するまでに使った電力を補うというイメージです。

ポイント
充電スポットのEV充電器はその役割によって適切な場所に設置されている!
・急速充電器は移動の途中に立ち寄る場所に設置→高速道路SA/PA、コンビニエンスストアなど
・普通充電器は長時間滞在する場所に設置→商業施設、宿泊施設、レジャー施設など
→設置場所や充電シーンを理解し、充電の計画を立てることで快適なEVドライブが叶う!

EVの走行距離と充電頻度

EVの走行距離は車種によって異なります。現在販売されているEVの走行距離は、約180kmのものから550kmを超えるものまでさまざまです。

◎EVの走行距離

EVの走行距離は、以下の式で計算することができます。

kWh(キロワットアワー)とは、1時間あたりの電気使用量を指し、EVの場合は車両のバッテリー容量を表す数値として用いられます。車種によってkWhは異なり、日産サクラは20kWh、スバルのソルテラは71.4kWhのようにバッテリーの性能に応じて容量が決まっています。

電費とは?

電費とはEVに使われる言葉で、ガソリン車でいう「燃費」のことです。燃費は、ガソリン1Lあたりの走行距離を示す指標で、日本ではkm/Lの単位で表されることが一般的です。例えば、燃費が22km/Lの場合は、1Lの給油で22km走れることになります。一方「電費」は、電気1kWhあたりの走行距離を示し、km/kWhの単位で表します。たとえば、一般的なEVの電費は6km/kWhで、これは1kWhの電力量で6kmの距離が走れるという意味です。「km / L」も「km / kWh」も、数字が大きければ大きいほど車両の性能が良いと言えます。

◎EVの走行距離と充電頻度の具体例

では実際に、EVの走行距離と充電頻度について具体的な例を出して計算していきます。Aさんは、バッテリー容量が60kWhのEVを所有していて、その電費を6km/kWhとします。

自宅で満充電を済ませていた場合、6km/kWh × 60kWh = 360kmとなり、満充電の場合の走行距離は360kmという計算になります。例えば、Aさんが毎日の通勤で往復30kmの距離をEVで走行すると仮定すると、充電が切れるのは12日目ということになります。この場合、12回に1回は充電を行う必要があるということになります。

ただし、この数値はあくまでも単純計算を行った場合の数値です。EVの電費は、ガソリン車と同様に、気温や道路環境、エアコンの使用頻度などによって変わるため、計算値通りのバッテリーの減り方にはなりません。実際の走行距離は、車両のカタログに記載されている走行距離の7割程度と考えた方がいいでしょう。

ポイント
・一般的なEVの電費は6km/kWh
・所有するEVの充電容量によって、1回の充電で走れる走行距離が変わってくる
・電費はガソリン車同様に、気温や道路環境、エアコン使用によって変動する

EVの充電にかかる時間

充電にかかる時間は、EVのバッテリー容量や充電器の出力によって異なります。ここでは、具体的な例を出して1回の充電にかかる時間と料金の目安を算出していきます。

◎EVの充電にかかる時間

EVの充電時間は、以下の式で計算することができます。

1回あたりの充電時間「普通充電器で充電する場合」

例えば、日産リーフe+(62kWh)を充電0%の状態から100%の満充電にするには、3kW普通充電器で20時間、6kW普通充電器で10時間かかります。30%の状態から80%の状態にするまで(50%分)を充電するには、それぞれ10時間、5時間かかる計算です。

1回あたりの充電時間「急速充電器で充電する場合」

急速充電器の場合は、「1回30分」という充電時間のルールがあり、充電開始から30分経過すると充電器からの電力供給がストップします。そこで急速充電器の充電時間については、30分間でどれくらい充電できるかを見ていきます。

同じく、日産リーフe+ (62kWh)の場合、出力が50kWの急速充電器で充電すると、

となり、30分間で全体の40%の充電が可能です。

ただし、急速充電器は車種や外気温、バッテリー温度などの影響を受け出力数が変動するため、30分間ずっと50kWの出力が継続するというわけではありません。単純計算では計算式の数値となりますが、実際の充電では出力数が変動するということを覚えておいてください。

ポイント
・充電にかかる時間はEVのバッテリー容量と充電器の出力によって変動する!
・簡単な計算式で目安の充電時間は算出できるが、実際の充電器の出力は車種や外気温に左右される

EVの充電にかかる料金(自宅で充電した場合)

次に、充電1回あたりの料金についてです。自宅での充電と外出先での充電とでは料金が異なるため、充電場所に応じた具体例とともに充電料金を算出します。

自宅で充電する場合、自宅の電力を使用することになります。そこで、自宅で充電した場合の料金計算には、全国家庭電気製品公正取引協議会が公表している「電力料金目安単価」1kWhあたり31円(税込)という数値を元に計算します。

充電0%から満充電まで充電した場合の料金は、以下の式から計算できます。

国内外のEVを自宅で満充電する場合の1回あたりの充電料金は次の通りです。

 

EVの充電にかかる料金(充電スポットで充電した場合)

充電スポットの充電料金は一律ではなく、充電スポットや充電器の種類、支払い方法によって価格が異なります。支払い方法としては、スマートフォンのアプリやクレジットカードでの決済、充電カードなどでのキャッシュレス支払いが主流で、現金の扱いはほとんどありません。

◎充電カードで支払う場合

充電カードとは?

充電カードとは、EVを充電スポットで充電する際、ユーザー認証や支払い手続きをスムーズに行うためのカードです。事前にクレジット情報や支払い情報などを登録することで、充電時の手続きが迅速に行えます。充電カードには大きく2種類あり、車種に関係なく入会可能なカードと、各自動車メーカーが発行するオーナー限定カードがあります。加入するプランに応じて、会費が必要です。

充電カードはどこで使えるの?

充電カードのサービスは、株式会社e-Mobility Power(通称:eMP)が主導していて、国内19,899カ所*のEV充電器がeMPの充電ネットワークと繋がっています。※2023年7月末時点

充電カードは、eMPの充電ネットワークに繋がっている充電器で利用可能です。対象の充電器には目印として「チャージスルゾウ」のロゴやeMPのロゴマークが描かれたステッカーが貼られています。

また、2023年4月からEV充電エネチェンジのEV充電器でも充電カードが利用できるようになりました。充電カードがあれば、全国各地にあるeMPの充電ネットワークと繋がったEV充電器を利用できるほか、充電料金を割安で利用することが可能になります。

充電カードのプラン例

代表的な充電カードを2つ紹介します。

  1. 日産自動車「日産ゼロ・エミッションサポートプログラム3」(以下ZESP3)

日産自動車が販売しているZESP3の充電カードは、充電器の利用時間によってプランの料金が異なり、プランに含まれる範囲を超えて充電する場合は追加料金が必要です。

2. e-Mobility Power会員

e-Mobility Power会員の充電カードは、車種に関係なく入会可能で、充電カードを発行していない自動車メーカーのEVユーザーや、中古車EVユーザーの方におすすめです。月額の基本料金に加え、充電器を利用する際には都度利用料金が別途でかかります。都度利用料金は、充電カードを持たないビジター料金に比べて安価に設定されているため、充電頻度の高い人はカード会員の方がお得になります。

充電カードで支払う場合の料金

一例として、e-Mobility Power会員の充電カードで支払う場合の充電料金について計算します。

この場合、1時間の充電料金は231円になります。また、1回1時間の充電を1ヵ月に7回すると仮定すると、月に1,617円かかる計算になり、普通充電プランの月額費と合わせると、1ヵ月の充電料金は3,157円となります。

◎アプリで支払う場合

充電料金の支払いには、スマートフォンのアプリも使用できます。利用する充電器ごとに、提供しているアプリが異なるため、利用の際には対応しているアプリの確認・ダウンロードが必要です。

例えばEV充電エネチェンジでは、月額費用不要の無料のアプリを提供しており、「EV充電エネチェンジ」の充電器であれば、充電スポットの検索、充電操作から支払いまでをアプリ1つで完結できます。このアプリを使って充電する場合、充電料金はアプリに紐付けたクレジットカードでの支払いとなります。

 EV充電エネチェンジを利用しアプリで支払う場合

EV充電エネチェンジの普通充電器の場合、設置されている充電スポットによって、ユーザーが支払う利用料金が異なります。

ここでは、主に目的地充電で活用されている普通充電器で充電した場合の料金の一例を紹介します。

EV充電エネチェンジのアプリは、登録無料かつ月額費用不要なため、充電にかかった費用のみを支払います。例えば、6kWの普通充電器で1時間充電した場合にかかる料金は330円です。

また、EV充電エネチェンジの普通充電器では6kW出力がスタンダードですが、2023年1月から充電器の出力量に応じた支払い機能を導入しています。具体的には、最大出力が2.9kWの日産サクラやPHEVなどには、6kW出力の半額の料金単価で充電ができます。

詳しくはこちらをご覧ください。

ポイント
・充電料金は自宅での充電と充電スポットでの充電によって異なる
・充電スポットで充電する場合、充電器のサービス事業者や支払い方法によって充電料金が異なる
→充電器を利用する際には事前に認証や支払い方法を確認しておくのが良い!

EV充電器の使い方

EV充電器は、EV初心者にとっても簡単に利用できる作りになっています。また、充電スポットの充電器には利用方法が記載されていることが多く、その指示に従えばどなたでも容易に操作ができます。この項では、充電器の使い方を3STEPで解説します。

⚫︎STEP1 EVの充電口を開く

EVには2つの充電口があり、充電口が大きい方が急速充電用、小さい方が普通充電用です。充電口はそれぞれ規格が異なり、普通充電器は「J1772」、急速充電では「CHAdeMO」という名称の規格が国内では主流です。

⚫︎STEP2 充電器のコネクタを充電口に接続

充電口を確認し、コネクタをEVの充電口に挿し込みます。

⚫︎STEP3 充電器の利用方法に従って充電開始

充電器の利用方法に従って、充電時間を選択したり、スタートボタンを押すなどの操作を行います。コネクタを挿しただけで急に充電が始まるということはないので安心してください。

※機器にケーブルが付属していない場合、ケーブルを持参する必要があります。

ポイント
・EVの充電口は2つあり急速充電用と普通充電用に分かれている
・ほとんどの場合、EVと充電器をつなぎ、簡単な操作を行えば充電を始められる

◎「EV充電エネチェンジ」アプリ 

EV充電エネチェンジのアプリでは、アプリ内の案内に従って簡単に充電操作を行うことができます。EV充電エネチェンジのアプリを利用した充電方法についてはこちらをご覧ください。

 

まとめ

EVを購入する前に知っておきたいEV充電の基礎知識6つをご説明しました。EVだけでなく、EV充電についての疑問や不安を解消した上で、快適なEVライフをお楽しみください。

現在、国内ではEVやEV充電設備の普及に向けた動きが加速しています。先月には、日本政府が2030年までに15万口としていた充電器設置の目標を、新たに30万口に引き上げる指針を発表していて、充電インフラの拡充が進んでいます。こうした動きを背景に、エネチェンジはEVに欠かせない充電インフラの整備に取り組み、目的地充電と基礎充電を中心にEV充電器の設置を推進しています。

また、エネチェンジではアプリの機能改善に注力し、EVユーザーが快適に充電ができるようアプリのアップデートも随時行っています。EV初心者の方でも簡単に操作できるので、これからEVの購入を検討されている方はぜひ使ってみてください。

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