【法人向け】EV充電器の購入・設置に使える東京都の補助金は?【23年最新版】
更新日:
東京都ではEV充電器の設置にかかる費用をサポートする補助金制度があります。
特に東京都では、EV充電は義務的なインフラ設備として扱われつつあり、EV充電器は、国や東京都の補助金を利用することで、少ない負担で導入することができます。
この記事では東京都の補助金を使い、低コストでEV充電器を設置する方法を紹介します。特に法人に特化した内容になっていますので、EV充電器の導入を検討している都内の施設オーナーの方は、ぜひ最後までご一読ください。
東京都はEV充電器の設置が義務化に
日本では2035年までに新車販売における乗用車の電動車化100%を目標に掲げており、ガソリン車の新車販売が実質禁止になります。
東京都では、国の目標より5年も前倒しとなる2030年までに、都内の新車販売における乗用車を100%非ガソリン化する「ゼロエミッション東京」を掲げています。
上記の目標に伴い、都内の建造物はインフラであるEV充電器の設置が義務付けられる動きが活発化しています。
建物に対しては、大小にかかわらず、新築する場合には充電設備を必ず設置するよう、『都民の健康と安全を確保する環境に関する条例 (環境確保条例)』を改正検討するなど、EV充電は義務的なインフラ設備として扱われつつあります。
2025年4月にはEV充電器と一定の中小規模新築建物(住宅等)への太陽光発電の設置が義務化される予定のため、太陽光発電でつくられた電気をEV充電器で消費するなど、新しい電気の利用先としてもEV充電器が選ばれていきそうです。
【一覧】東京都で利用可能なEV充電器に関する補助金(助成金)
東京都で利用可能なEV充電器に関する補助金は、自治体の補助金である「東京都の補助金」「市区町村の補助金」と、国の補助金があります。
以下、東京都で利用可能なEV充電器に関する補助金の一覧です。
▼ 国の補助金
国の補助金 | |
補助金名 | 充電インフラ補助金 |
正式名称は「クリーンエネルギー自動車の普及促進に向けた充電・充てんインフラ等導入促進補助金」です。国の補助金にくわえ、地方自治体の補助金と併用して使うことができます
※国の補助金と自治体の補助金を併用する場合、国の補助金を先に申請する必要があります。
国の補助金詳細についてはこちら
▼東京都の補助金
東京都で行っている補助金は、以下4つです。
東京都の補助金 | |
補助金名 | 充電設備普及促進事業(事業用) |
充電設備普及促進事業(居住者用) | |
戸建住宅向け充電設備導入促進事業 | |
充電設備運営支援事業 |
▼市区町村の補助金
市区の補助金制度は、以下9つです。
東京都の自治体補助金 | |
市区町村 | 補助金名 |
千代田区 | 令和5年度千代田区クリーンエネルギー自動車充電設備等導入費助成制度 |
港区 | 港区創エネルギー・省エネルギー機器等設置費助成制度 |
江東区 | (個人住宅用・集合住宅用)地球温暖化防止設備導入助成 |
渋谷区 | 電気自動車等用充電設備導入助成 |
杉並区 | 杉並区電気自動車用充電設備導入助成(令和5年度) |
足立区 | 戸建住宅向け電気自動車等用充電設備設置費補助金 |
葛飾区 | 令和5年度 《事業所用》かつしかエコ助成金のご案内 |
羽村市 | 環境配慮事業助成制度【一部受付終了】 |
補助内容についてはそれぞれ異なるため、各自治体へお問い合わせください。
東京都の補助金概要
この項では以下4つの補助金の概要を説明いたします。
1.充電設備普及促進事業(事業用)
充電設備普及促進事業(事業用)は、都内の商業施設や宿泊施設、駐車施設などで広く一般開放する目的で設置されるEV充電器が対象になります。
概要は以下の通りです。
充電設備普及促進事業(事業用) | |
対象者 |
都内施設に、電気自動車・プラグインハイブリッド自動車用充電設備を設置する方 |
補助額 |
・充電設備:最大1,600万円 詳しくは以下の表を参照 |
適用条件 |
「公共用充電」 |
申請方法 |
(1)国補助を併用する場合 (2)国補助を併用しない場合 |
補助額については以下の表をご覧ください。
設備購入費 | 設備工事費 | 受変電設備 改修費※ |
|
超急速充電設備 | 100% (機器ごとの上限あり) |
上限1,600万円 |
上限 |
急速充電設備 |
上限309万円(1基あたり) |
||
普通充電設備 | 50% (機器ごとの上限あり) |
【1基目】上限81万円 機械式駐車場の場合 |
|
充電用コンセント |
【1基目】上限60万円 機械式駐車場の場合 |
◉上記金額は消費税その他助成対象経費を除いた金額
※充電設備の合計出力が50kW以上の場合に限ります。
国の補助金を併用する場合、設備購入費や設備工事費、受変電設備改修費は、国の交付金額分を差引いた額が上限額となります。
公共用の急速充電器のみ上記の図にプラスで、運営にかかる経費の一部を助成する「充電設備運営費(充電設備運営支援事業)」も助成されます。
◉充電設備普及促進事業(事業用)を利用した場合の自己負担額は?
では、実際にEV充電器の導入にはいくらかかるのでしょうか?
東京都の自治体の補助金「充電設備普及促進事業(事業用)」を利用する場合の自己負担額を詳しく説明いたします。
※事前申請の場合(東京都のみ申請)の金額をご紹介しています
【超急速充電設備の自己負担額】
超急速充電設備1基を700万円で購入し、設置工事費が1,700万円の場合は200万円が自己負担額です。
計算方法は、700万円+1,700万円−600万円※(購入費補助金)−1,600万円(工事費補助金)=200万円
※機器ごとの上限額が600万円の場合で計算しています
【急速充電設備の補助額】
急速充電設備(50kW)1基を120万円で購入し、設置工事費が600万円の場合は320万円が自己負担額です。
計算方法は、120万円+600万円−100万円※1(購入費補助金)−300万円(工事費補助金※2)=320万円
※1 機器ごとの上限額が100万円の場合で計算しています
※2 1kW/6万円 × 対象設備の出力kW(1基あたり)が適用
6万円 (1kWあたり)× 50(kW)=300万円
【普通充電設備の補助額】
1基25万円の普通充電設備を3基(75万円)購入し、3基の設置工事費が400万円の場合は284万円が自己負担額です。
計算方法は、75万円+400万円−30万円(3基分購入費補助金)−161万円(工事費補助金)=284万円
※購入費補助金は、充電インフラ補助金の交付上限額と同じ金額が東京都の助成上限額(10万円)
※工事費補助金は、1基目81万円で2基目以降は40万円で計算
【コンセント充電の補助額】
1基2.2万円の普通充電設備を3基(6.6万円)購入し、3基の設置工事費が200万円の場合は83.6万円が自己負担額です。
計算方法は、6.6万円+200万円−3万円(3基分購入費補助金)−120万円(工事費補助金)=83.6万円
※購入費補助金は、充電インフラ補助金の交付上限額と同じ金額が東京都の助成上限額(1万円)
※工事費補助金は、1基目60万円で2基目以降は30万円で計算
2.充電設備普及促進事業(居住者用)
集合住宅やマンションなどで、特定の利用者向けに設置されるEV充電器は「非公共用充電」に分離されます。対象となる施設の敷地内に設置する必要があります。
充電設備普及促進事業(居住者用) | |
対象者 |
都内施設に、電気自動車・プラグインハイブリッド自動車用充電設備を設置する方 |
補助額 |
・充電設備:最大1,600万円 詳しくは「補助額」を参照 |
適用条件 | 「非公共用充電」
特定の利用に限るもの |
申請方法 |
(1)国補助を併用する場合 (2)国補助を併用しない場合 |
補助額については、充電設備普及促進事業(事業用)と上限額は変わりません。
3.戸建住宅向け充電設備導入促進事業
「戸建住宅向け充電設備導入促進事業」は、都内の家庭向けの充電設備に対する補助金です。
戸建住宅向け充電設備導入促進事業 | |
対象者 |
・助成対象設備を所有又は使用する個人 |
補助額 | 25,000円(1基あたり)
【対象】 |
適用条件 |
(1) 令和4年4月1日〜令和7年3月31日までの間に設置すること ・設置場所の電力契約が「再生可能エネルギー100%電力調達」であること (5)新品であること |
申請方法 |
【電子申請】 |
◉「戸建住宅向け充電設備導入促進事業」を利用した自己負担額は?
一般的に戸建て住宅にEV充電器を設置する場合、本体費用は2〜25万円、工事費用は4万~12万円が相場です。取り付ける場所やEV充電器の種類によって費用に幅があります。
「戸建住宅向け充電設備導入促進事業」の補助額は、1基あたり25,000円が適用されます。
4.充電設備運営支援事業
「充電設備運営支援事業」は、公共用の超急速充電設備もしくは急速充電設備の運営にかかる経費の一部を助成するものです。
充電設備普及促進事業(事業用) | |
対象者 |
令和2年度以降に下記の事業の交付決定を受けている方 ・充電設備導入促進事業(商業施設・宿泊施設等) |
補助額 | 【維持管理費】
上限40万円/年 ・充電設備の課金通信費 【電気料金】 ・令和3年度:上限60万円/年 ・令和4年度:【超急速充電設備】上限110万円/年 ・令和5年度:【超急速充電設備】上限310万円/年 |
適用条件 |
「公共用充電」 |
申請方法 |
・充電設備の運営開始後(充電設備普及促進事業等の実績報告以降)に交付申請書を提出【電子申請(メール添付)】 |
◉申請締め切り
東京都による補助金事業の実施期間は令和6年度までですが、年度ごとに受付期間が設けられています。
令和5年度の申請期間は、令和5年4月28日(金)から令和6年3月29日(金)まで。
申請額が予算額に到達した場合は、その時点で申請受付を終了しますので早めの申請をおすすめします。
まとめ
東京都では、2025年4月にはEV充電器と一定の中小規模新築建物(住宅等)への太陽光発電の設置が義務化される予定です。
東京都の補助金と国の補助金を使えば、コストを抑えてEV充電器の設置が可能。補助金には限りがあり、過去3年間とも予定の申請受付日よりも早く終了しています。
国の補助金や自治体の補助金を利用したEV充電器の設置を検討されている場合は、早めのアクションをおすすめします。
なお、EV充電エネチェンジでは、国や自治体の補助金を活用した導入にも多数実績があり、独自の導入支援金もご用意しています。
面倒な補助金の申請手続きも、まとめて代行いたしますので、気になる方はお気軽にお問い合わせください。