EV充電エネチェンジ、急速充電の扱いはない?
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EV充電エネチェンジは6kWの普通充電器を中心に、全国各地に設置を推進しています。EV充電導入台数No.1*のサービスです。
そのため、現時点では急速充電器のお取り扱いはありません。
「普通充電よりも早く充電できる急速充電のほうが充電器として優れている」と思われる方がいるかもしれませんが、実はそうではなく、普通充電器と急速充電器では用途が異なるのです。
この記事では、「急速充電器しか知らない」「普通充電のことをよく知らない」という方に向けて、急速充電器と普通充電器の用途の違いや特徴などをご紹介します。
※認証アプリ提供サービスでの、EV普通充電器(6kW)の設置口数(2024年11月1日時点、GoGoEV調べ)
急速充電器と普通充電器の違い
EV充電器は、「急速充電器」と「普通充電器」があります。
主な違いは出力数の違いです。出力数が高いほど充電スピードは上がり、充電時間は短くなります。
「早いなら普通充電よりも急速充電がよい!」と思われるかもしれませんが、普通充電と急速充電では役割が異なります。普通充電器の役割は、目的地や自宅・勤務先等で駐車している間の充電です。急速充電器の役割は、バッテリー残量がほとんど無い緊急時などの充電です。
⚫︎充電器の利用シーンは大きく分けて3種類
充電器の利用シーンは大きく分けて「基礎充電」「経路充電」「目的地充電」の3種類があります。
基礎充電
基礎充電とは、自宅や事業所の駐車場など、ドライバーの生活の拠点となる場所で行う充電をいいます。
帰宅・帰社した際に充電を開始し、次に車に乗る時までに充電を完了させます。
経路充電
経路充電とは、目的地に着くまでに足りない分を補う充電をいいます。バッテリー残量がほとんど無いといった緊急時にも利用されます。
目的地充電
目的地充電とは、商業施設や宿泊施設などの目的地で行う充電をいいます。用事を済ませる間に利用されます。
スーパー・ホームセンター・ショッピングモールなどの商業施設、ホテル・旅館などの宿泊施設、ゴルフ場・キャンプ場などのレジャー施設など、さまざまな場所に設置されています。
⚫️充電器は大きく分けて3種類
普通充電には大きく2種類、コンセント型とケーブル一体型があります。それに急速充電器を加えて、それぞれの特徴を表にまとめました。
- 普通充電器(コンセント型)
- 普通充電器(ケーブル一体型)
- 急速充電器
3種類の違いは以下の通りです。
f充電器の種類 | 普通充電器(コンセント型) | 普通充電器(ケーブル一体型) | 急速充電器 |
出力 | 1kW〜3kW | 3.2kW〜6.0kW | 20kW〜250kW |
設置場所 | ・戸建住宅 ・事業所の駐車場 (生活の拠点になる場所) |
・商業施設 ・宿泊施設 ・マンション ・屋外駐車場 ・カーディーラー ・病院 ・レジャー施設 ・コンビニ、スーパー |
・高速道路のSA / PA |
特徴 | ・低出力の低速充電 ・充電時間は10時時間以上 ・ケーブルは付属していないため、ケーブルの持ち運びが必要 |
・充電時間は数時間程度 ・普通充電器の出力は「3kW」と「6kW」に分かれる |
・高出力 ・充電時間は1回15分〜40分程度 |
「普通充電器(コンセント型)」は、自宅や事業所の駐車場など生活の拠点となる場所で、車を使わない時間帯の充電に使われます。出力は1kW〜3kWと低出力のため充電に時間がかかりますが、帰宅してから翌日出かけるまでの間つないでおくことで充電が完了します。
「普通充電器(ケーブル一体型)」は、商業施設・宿泊施設・スーパーなど、目的地で用事を足している間の充電に使われます。出力は3kWタイプと6kWタイプの充電器があり、6kWタイプは倍速で充電ができます。
「急速充電器」は、高速道路のSA/PAなどで、目的地にたどり着くまでにバッテリーが足りないといった緊急時の継ぎ足し充電に使われます。高出力のため、30分ほどで充電が完了します。
滞在時間により、最適な充電設備は異なる
EV充電エネチェンジでは、2023年5月にEVオーナーを対象として、それぞれの施設に対してどのような充電器を選ぶべきかという調査を行いました。
対象施設:宿泊施設・商業施設・ゴルフ場・コンビニ
充電器:3kW普通充電器(コンセント型)・3kW普通充電器(ケーブル一体型)・6kW普通充電器(ケーブル一体型)・急速充電器
調査の結果は以下のようになりました。
⚫︎宿泊施設
アンケート回答者の77.6%が、6kWのケーブル一体型の普通充電器が適しているという結果になりました。
理由として、下記のようなご意見がありました。
- 3kWだと出力不足で次の日までに充電が十分できない
- 倍速充電可能な6kWの普通充電器であれば一晩で十分充電できる
- 急速充電だとバッテリーの寿命を縮めるのであまり使いたくない
宿泊施設まで長距離を運転してくる方もいるため、3kWでは一晩あっても出力が足りず満足に充電ができないとの意見がありました。翌日までに十分な充電ができる6kWの普通充電器を求めるご意見が多くあがりました。
⚫︎商業施設
アンケート回答者の74.6%が6kWの普通充電器(ケーブル一体型)でしたが、50kWの急速充電器にも52.1%の支持が集まりました。
理由として、下記のようなご意見がありました。
- 急速充電器は充電終了後の車移動が大変。6kWの普通充電器を複数台設置が望ましい
- 6kWの普通充電器は時間制限が無くそこそこ充電出来る
- 30分くらいである程度充電できる急速充電器と6kWの普通充電器があれば、色んな用途をカバーできると思うため
ショッピングや食事などを行う商業施設では、時間を気にせずEVを置きっぱなしにできる6kWの普通充電器(ケーブル一体型)が支持を得ました。
滞在時間が短い場合には、急速充電器の需要もあります。6kW普通充電器と急速充電器の併用を望むご意見もあり、どちらも設置されていると用途により使い分けができそうです。
⚫︎ゴルフ場
アンケート回答者の56.4%が6kWの普通充電器(ケーブル一体型)が最も適していると支持しています。
その他が35%と高い数値になっていますが、ゴルフをしない方にも回答いただいたため「その他」が多い結果になっています。
6kWの普通充電器(ケーブル一体型)が選ばれた理由として、下記のようなご意見がありました。
- 駐車場から離れて何時間もプレーすると思うから
- ラウンド中に満充電できるため
- 施設側の設置負担等が少なく複数台設置ができるから
ゴルフは、一度プレーが始まると駐車場へ戻ることが難しいです。そのため、充電が終わったらすぐにEVを動かさなければならない急速充電器よりも、充電をつないだままにできる6kWの普通充電器を指示するご意見が多くあがりました。
ゴルフ場は都心から離れている場所にあることが多いです。EV充電器があれば、プレー時間に十分充電ができ、安心して帰ることができそうですね。
⚫︎コンビニ
アンケート回答者86.5%と多くの方が急速充電器を支持しました。
理由として、下記のようなご意見がありました。
- 短時間の滞在のため
- 短時間である程度充電したいから
- 買い物ついでよりは充電のために立ち寄るような使い方になると思われるため
コンビニでは急速充電器が圧倒的な支持を得ました。
コンビニの滞在時間は数分から数十分と短いため、短時間でも十分充電できる急速充電器が求められるケースが多いようです。
すべてのアンケート結果をみると、宿泊施設・商業施設・ゴルフ場では6kWの普通充電器(ケーブル一体型)を、コンビニでは急速充電器を求めるご意見が多い結果となりました。
急速充電は1回あたり30分というルールがあります。コンビニのような短時間滞在の場所で利用する分には問題ないですが、滞在時間が長い場所では30分を気にしながら時間を過ごさなければなりません。一方で普通充電はEVを置きっぱなしにできるため、他の人を気にせず使えるということをメリットに感じている方も多いと思われます。
まとめ
EV充電器は、早く充電できるから良いということではなく、利用目的や滞在時間によって最適な充電器は異なります。
エネチェンジでは「目的地充電」と「基礎充電」を中心に、EV充電器の普及を推進していきます。
どんな充電器を設置すればよいかわからない、というご質問などがありましたら、ご遠慮なくお問い合わせください。