ホテルが取り組むリアルなSDGs!コストをかけずに企業価値を高める方法は?
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もはやすっかりお馴染みとなったSDGs(国際社会全体が取り組むべき「持続可能な開発目標」)。
その取り組みを社外に積極的にアピールする企業がどんどん増えています。今回はホテルや宿泊施設がSDGsに取り組むべき理由とコストをかけず、すぐに取り組める身近なサステナブルを実例をまじえてご紹介します。
旅行者の高まるサステナブル意識
サステナブルとは・・・
持続可能という意味で、SDGsのSにあたります。
「世界全体で、美しい地球を保ち続けるための設計や仕組みを考えること」を意味します。
SDGsとは・・・
Sustainable Development Goalsの略称。
サステナブル社会を実現するために掲げられた具体的な17の目標のこと。
「気候変動」「エネルギー」「飢餓や貧困」「働き方」「くらし方」「ジェンダー」など環境や社会が抱える問題にバランスよく取り組み、世界のさまざまな問題の根本的な解決・世界を持続させることをSDGsでは目指しています。
7割が「重要である」と回答
Booking.comが2022年に行ったサステナブル・トラベルに関する調査では、日本の旅行者の73% が「サステナブルな旅は自身にとって重要である」と回答しました。
また日本の旅行者の約半分(46%)が「今後12カ月間において、よりサステナブルな旅を心がけたい」と回答しました。
世界中はもちろん、日本の旅行者の宿泊施設に対するサステナビリティへの配慮や意識が高まっていることは明らかです。
また、ホテル・宿泊施設が取り組めるSDGsは幅広く、交通渋滞、騒音、ゴミ問題、地域住民の生活環境への悪影響を極力減らすことや、地域文化や経済の活性化といった、宿泊者だけでなく、旅先に住む人々の生活も豊かになるような配慮も含まれます。
「SDGsを意識した滞在」は単なるトレンドにとどまらず、これからの宿泊業界における基準になっていくでしょう。
ホテル・宿泊業施設がSDGsに取り組むメリット
ホテル・宿泊施設がSDGsに取り組むメリットは「集客」「人材獲得」「地域の活性化」などが挙げられます。
メリット1:集客に効果的
先述のアンケートを行ったBooking.comは、2021年11月から「サステナブル・トラベル」を導入しており、宿検索の項目として重要視されています。日本では同バッジを1,000軒以上の宿が取得しています。
また、国内大手予約サイト「楽天トラベル」でも「サステナブルトラベル」バッジが導入され、「サステナブルトラベル宿」という検索チェック項目があるなど、サステナブルな取り組みをしているということは付加価値となり、選ばれる大きな理由となるのです。
メリット2:人材獲得に向けたアピールになる
人材確保に悩まされる宿泊業界でも、優秀な人材を採用するにあたって、SDGsはますます無視できなくなっています。
2021年に株式会社ベイニッチが行った調査では「就職先企業を選ぶ上で重視した点は何ですか?」という質問に対し職場の雰囲気の良さや給与面、仕事内容が上位3つに挙がるなか、「SDGsに対する姿勢や取り組み」が6位となりました。「有名企業であるかどうか」がその下の7位であり、就職先を決める要素の1つとしてSDGsが注目され始めていると言えるでしょう。
「22卒就活生の選社軸とSDGsの関係性」(出典:ベイニッチ調べ)
メリット3:地域の活性化につながる
旅行者には、その地域を知りたい・楽しみたいというニーズがあります。どの地域にも、文化や気候・歴史など他とは違う「ユニークな一面」があり、SDGsの取り組みを通してその土地の食べ物や、廃棄されるはずだった資源、利用されずに眠っていた資産を新たな価値とすることができます。
その土地の文化や食べ物、人々を巻き込み付加価値や意味を付けて発信することは、地域全体のコミュニケーションなしでは成立しません。
よって、地域全体が元気になる相乗効果をもたらすうえに、地域としての改善や提案は旅行者の満足度にもダイレクトにつながります。
【事例】コストをかけずに始められる身近な取り組み
「SDGsって一体何をすればいいの?」「費用がかかり中小企業は取り組みにくい」という人や企業が多いのも事実です。そんな方々のためにコストをかけない身近な取り組み実例をご紹介します。
▼アメニティバイキング(住友不動産ヴィラフォンテーヌ株式会社)
アメニティバイキングとは客室には最低限のアメニティを設置(もしくは設置しない)し、宿泊客が必要なものを、必要な量だけ選択できるというものです。
ヴィラフォンテーヌ各ホテルでは、ロビーフロアにおける「アメニティバイキング」を実施しています。
ヴィラフォンテーヌ各ホテルで行われる「アメニティバイキング」の様子
同取り組みは多くのホテルで目にすることが増えてきました。無駄なプラスチック・アメニティ廃棄の削減につながることはもちろん、コストの削減にもダイレクトにつながります。また宿泊客が好きなものを選択できるという楽しさもあり、三方良しの取り組みやすい事例と言えるでしょう。
SDGs(世界を変えるための17の目標)に当てはめると以下の項目への貢献に繋がるでしょう。
「12.つくる責任つかう責任」「13.気候変動に具体的な対策を」「14.海の豊かさを守ろう」が該当します。
▼地域との共生(JR西日本ヴィアインホテルズ)
企業の地域参画の取り組みもSDGsに該当します。
たとえばJR西日本ヴィアインホテルズはSDGsに地域との共生の取り組みを進めています。地域のお祭りに参画し、手伝いをするなどして地域との連携を通じた訪れたいまちづくりを行っています。また、地域の清掃活動に参画し、ホテル近隣エリアの美化に取り組んでいます。
その他にもホテルが地域と共に取り組める身近なSDGsの施策として食品の地産地消や、周辺アクティビティやレストランとの連携などがあります。いずれも地域住民との関係性を自然な形で構築することができます。
エリア全体を底上げすることで施設を訪れる宿泊客の満足度の向上にダイレクトに繋がります。消費者の体験・滞在の質が問われるという特性上、ホテル・宿泊施設のSDGsへの取り組みとして「地域との共生」は重要かつ難易度が低く、かつ宿泊客の満足度にダイレクトにつながるキーワードとなるでしょう。
SDGs(世界を変えるための17の目標)に当てはめると以下の項目への貢献に繋がるでしょう。
「10.人や国の不平等をなくそう」「11.住み続けられるまちづくりを」「17.パートナーシップで目標を達成しよう」が該当します。
▼コストをかけずにEV充電器を設置(箱根仙石原プリンスホテル)
EV(電気自動車)やEV充電器の取り組みはクリーンエネルギーや気候変動への取り組みを掲げるSDGsととてもマッチします。
箱根仙石原プリンスホテルでは、多くのSDGsの取り組みを進めており、その内の1つとしてEVの充電器を導入しました。
同社に設置された環境色対応のEV充電器
導入の背景には、EVシフトが進む中、周辺施設にはEV充電器がほとんど無く、EVで箱根エリアに来た旅行者の「充電の不安」を少しでもなくしたいということがありました。
また国立公園内に施設があるという特性上、充電器本体が環境色に対応できることが設置の要件であり、EV充電エネチェンジが採用されました。
EV充電エネチェンジであれば初期費用0円で設置できるプランがあり、コストをかけずにSDGsに取り組むことができます。
まとめ
ホテル・宿泊業界においてSDGsを考慮した行動を選択することは企業の取り組みとして欠かせないと言えるでしょう。売り上げや利益に直結しにくいと構えるのではなく、普段の取り組みにSDGsの視点を盛り込むことで、コスト削減や顧客満足の向上、そして地域への貢献など多方面でプラスの効果があります。
費用をかけずとも、サステナブルな社会づくりに関わり、貢献し、企業としてPRできる可能性があるのです。
コストをかけずにEV充電器を設置、それだけでSDGsが始められます!
EV充電エネチェンジでは、補助金と独自の支援金を使うことで初期費用0円でEV充電器を設置することができます。
補助金の手続きや工事の事前調査、設置工事、設置後のお問い合わせや支払い対応もすべてフルサポートするので、オペレーションのコストもかからないことから、全国のホテル・宿泊施設からお問い合わせが増えています。
EV充電器の設置は、SDGs(世界を変えるための17の目標)に当てはめると以下の項目への貢献に繋がります。
「7.エネルギーをみんなに そしてクリーンに」「9.産業と技術革新の基盤をつくろう」「11.住みつづけられるまちづくりを」「12.つくる責任 つかう責任」「13.気候変動に具体的な対策を」に該当します。
「EV充電器を設置する」費用も労力もかけずに簡単なところからSDGsを始めてみませんか?