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ゼロカーボンシティとは?概要や課題、各自治体の取り組みも紹介

更新日:

この記事では、「ゼロカーボンシティ」とはなにか、ゼロカーボンシティの課題や実際に自治体が行っている取り組みを紹介します。

後半には、ゼロカーボンシティ宣言をするメリットにも言及しますので、ぜひ参考にしてください。

「ゼロカーボンシティ」とは?

ゼロカーボンシティとは、「2050年までにゼロカーボンを目指す意思表明した地方自治体」を定義しています。「ゼロカーボン」とは、二酸化炭素排出量を実質ゼロにする取り組みです。

最初に宣言したのは、2009年3月の山梨県です。全国の自治体数は全体で1,788で、そのうち、973自治体と約半数がゼロカーボンシティを表明しています。(46都道府県、552市、22特別区、305町、48村)※2023年6月30日時点

ゼロカーボンシティ表明自治体の一覧はこちら

「カーボンニュートラル」という言葉もありますが、ゼロカーボンとの明確な違いはありません。どちらも温室効果ガスの排出を実質ゼロにすることを目指しています。二酸化炭素やメタンの排出量と、森林や植物による吸収量を均衡させ、温室効果ガスを全体としてゼロにすることが共通の目的です。

また「カーボンネットゼロ」「カーボンゼロ」などの用語も使われますが、統一されておらず、明確な区別や使い分けもありません。

ゼロカーボンシティの課題

ゼロカーボンシティには以下の課題が挙げられます。

  • 再生可能エネルギー導入が困難
  • 景観の悪化
  • 合意不足によるトラブル

発電に必要な風力タービンや太陽光パネルなどは、市街地や自然環境に影響を与え、景観の悪化を招きます。そのため、規制が入ったり、導入が困難な場合があります。ほかには、導入に必要な予算がなかったり、知見がなかったり、人手が足りないと言ったリソース不足が原因といった課題もあります。

また、ゼロカーボンシティの実現には地域住民の合意が重要です。再生可能エネルギー導入のためのインフラの建設に対する意見の相違からトラブルが生じることがあります。

住民との合意形成がスムーズに行えない場合、プロジェクトの遅延や実現困難になることもあります。ゼロカーボンシティに向けた新たな取り組みには、技術進化だけではなく、地域住民とのコミュニケーションや適切な計画が不可欠です。

ゼロカーボンシティを宣言した自治体例

ゼロカーボンシティ宣言を行った自治体の事例を紹介します。

また、エネチェンジでは自治体の環境政策ご担当者さま向けのセミナーを開催しています。EVやEV充電に関する基礎知識から、EV充電器の具体的な導入事例までわかりやすく丁寧にご紹介します。

最新の開催情報につきましてはこちらのページにてご確認ください。

地域 取り組み
秋田県大仙市
  • 充電インフラ整備として、エネチェンジと提携し「スポーツ施設」「道の駅」をはじめとする全17施設にEV充電器を導入
  • 住宅、建築物の省エネおよびZEH/ZEB化
  • 食品ロス、プラスチック製廃棄物の削減
  • 公共施設等での自家消費型の再エネ導入

詳しくはこちら
エネチェンジ「エネチェンジ、秋田県大仙市と包括提携で17施設にEV充電器を導入」
大仙市公式HP「大仙市ゼロカーボンシティ宣言」

東京都荒川区
  • ​​区施設の電力に関して、CO₂排出係数の低い電力事業者からの一括調達を実施。
  • 省エネ性能の高い(統一省エネラベル4つ星以上)のエアコン購入費用の助成事業
  • シェアサイクルの運用拡大
  • 再配達に伴うCO₂排出削減として、23区で初となる宅配ボックス購入費用の助成事業

詳しくはこちら
東京都荒川区公式HP「荒川区地球温暖化対策実行計画(概要版)」
東京都荒川区公式HP「荒川区地球温暖化対策実行計画(概要版)」
東京都荒川区公式HP「【東京23区初!】【荒川区】宅配ボックスを設置してCO2削減を推進!新型コロナ対策にも効果!」

神奈川県横浜市
  • エネチェンジと「普通充電設備の普及に向けた連携協定」を締結
  • 「太陽光パネル」や「蓄電池」を購入・設置できる共同購入キャンペーン
  • 新庁舎の使用電力の100%再エネルギー化
  • 公用車を次世代自動車へ順次変更
  • 再エネポテンシャルの豊富な東北地方の13の市町村と連携協定を締結

詳しくはこちら
エネチェンジと横浜市が普通充電設備の普及に向けた連携協定を締結
神奈川県横浜市公式HP「みんなのおうちに太陽光」
環境省「COOL CHOICE」サイト「横浜市の脱炭素化「Zero Carbon Yokohama」とは?!」

長野県
  • EVの公用車導入(AIを活用した公用車の配車・充電マネジメント)
  • 地域鉄道・バス事業者の省エネ新型車両への更新を支援
  • 中小企業融資制度(ゼロカーボン・次世代産業向け)による優遇支援

詳しくはこちら
長野県公式HP「AIを活用した公用車の配車・充電マネジメントの実証を開始します」
長野県公式HP「長野県ゼロカーボン戦略【概要版】」

福岡県みやま市
  • エネチェンジの6㎾普通充電器を公共施設に設置
    →総合市民センター「MIYAMAX」、みやま市バイオマスセンター「ルフラン」
  • 公用車の電気自動車の導入促進
  • 生ごみ・し尿等から電力と液肥を生み出す、みやま市バイオマスセンター「ルフラン」を建設

詳しくはこちら
エネチェンジ、自治体が管理運営する公共施設に6㎾普通充電器を設置
みやま市地球温暖化対策実行計画

福岡県北九州市
  • 「八幡西区役所上津役出張所」へ電気自動車充電スタンド設置
  • 「北九州学術研究都市」へ電気自動車充電スタンド設置

詳しくはこちら
エネチェンジ「エネチェンジ、自治体が管理運営する公共施設に6㎾普通充電器を設置」

鹿児島県鹿児島市
  • 太陽光などを活かした再生可能エネルギーによるエネルギーの地産地消
  • 一般廃棄物を活用した再生可能エネルギーの創エネ
  • CEVの普及促進
  • 家庭・事業所等でのエコスタイルへの転換

詳しくはこちら
鹿児島県鹿児島市公式HP「「ゼロカーボンシティかごしま」に挑戦!~2050年までにCO2排出実質ゼロに~」

ゼロカーボンシティ宣言をするメリット

ゼロカーボンシティ宣言を行うことによって、自治体が得られるメリットは以下のとおりです。

  1. 国から支援を受けることができる
  2. 地域活性化や地域貢献につながる
  3. 地域のブランド価値向上
  4. 地球温暖化の抑制

1.国から支援を受けることができる

ゼロカーボンシティ宣言を行うと環境省から支援を受けることができます。内容は、ゼロカーボンシティ実現や再生エネルギー導入のための計画立案から導入まで一貫して支援するもの。

自治体による、ノウハウや人員の不足による施策への滞りなどの課題解決に繋がります。

【具体例】

  • 自治体の気候変動対策や温室効果ガス排出量等の現状把握(見える化)支援
  • ゼロカーボンシティの実現に向けたシナリオ等検討支援
  • ゼロカーボンシティの実現に向けた地域の合意形成等の支援

参照:ゼロカーボンシティ実現に向けた地域の気候変動対策基盤整備事業

2.地域活性化や地域貢献につながる

ゼロカーボンシティの実現に向け、再生可能エネルギーや持続可能な技術への投資、導入をします。その結果、新たな産業や雇用が生まれ、地域経済の活性化に繋がります。

また、再生可能エネルギーの導入は、災害時の電力供給の確保など、地域社会への寄与が期待できます。持続可能なまちづくりにおけるインフラの整備は、住民の利便性の向上に寄与します。

そのほかにも、自治体と企業の合同の取り組みとして、日産自動車が進める「ブルー・スイッチ」プロジェクトがあります。同プロジェクトは、EV(電気自動車)を活用して地域課題を解決するというものです。災害対策や地域の交通課題の解消、観光の活性化など、地域の抱える目標や課題に応じて、自治体と企業が連携して取り組みを行っています。

これらのことから、ゼロカーボンシティへの取り組みは地域活性化や地域貢献につながり、持続可能な街づくりのために重要な役割を果たしています。

3.地域のブランド価値向上

ゼロカーボンに取り組むことは、地域のブランドの価値を向上させるポイントのひとつとなります。環境に配慮した地域としてポジティブなイメージを形成することも可能です。

また、ゼロカーボンの取り組みは、メディアの注目を浴びることがあります。地域全体で積極的な取り組みを行っているという情報発信は、地域の名前を広め、ブランドの認知度を高めます。

4.地球温暖化の抑制

ゼロカーボンに取り組むことは、地域にとってメリットがあるだけではなく、実質的な地球温暖化の抑制につながります。二酸化炭素の排出を減少させ、気候変動や環境破壊を緩和する助けを行うことで、地域の自然資源や生態系を保護し、将来の世代に美しい環境を残すことができます。

まとめ

本記事では、「ゼロカーボンシティ」の概要と課題、ゼロカーボンシティ宣言をするメリット、各自治体で行われている具体的な取り組みなどをお伝えしました。

ゼロカーボンの重要性は年々高まっており、政府は2050年の脱炭素社会の実現に向け、多くの対策や予算投入を進める見通しです。ゼロカーボンシティ宣言を行うことにより、国からの支援を受けながら地域全体で温室効果ガスの抑制や実質ゼロ化に取り組むことができ、地域の活性化や地域貢献などのメリットを受けることができます。

エネチェンジでは、多くの自治体のご担当者から、これからのあるべき充電インフラ整備に関するご相談をいただいています。ご不明な点やご相談などありましたら、エネチェンジにお問い合わせください。

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