電気自動車Q&A「EVの普通充電器と急速充電器、役割はどう違いますか?」
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電気自動車(EV)に関するさまざまな疑問について、EV充電器導入台数No.1のエネチェンジがわかりやすくお答えします。
今回は、EV充電器の「普通充電器」と「急速充電器」それぞれの役割についてお答えします。
※認証アプリ提供サービスでの、EV普通充電器(6kW)の設置口数(2024年11月1日時点、GoGoEV調べ)
「EVの普通充電器と急速充電器、役割はどう違いますか?」
普通充電器の役割は、目的地や自宅、勤務先等で駐車している間に充電するためのものです。いたるところに普通充電器が設置されていることがEVの普及した社会の理想形です。「駐車場には充電器がある」が常識になれば、わざわざ充電スポットを探す必要はありません。
急速充電器の本来の役割は「バッテリー残量がほとんど無い」といった状況で使用する充電です。
電池残量が減って目的地にたどり着けない、高速道路を走っている間に充電が切れそう、となると途中で充電しなければいけません。これが本来の急速充電器の役割です。
将来的にバッテリーが進歩して、たとえば「1回の充電で1000km走れるEV」のような高性能のクルマが出てくるかもしれません。そうなると、理論的には高速道路にすら急速充電器がなくてもよくなります。その段階に到達するまでにはまだ時間がかかるかもしれませんが……。
ガソリン車ではガソリンスタンドまで燃料を補給しに行きますね。これは見方を変えると「わざわざガソリンを入れに行っている」行動です。過疎地ではガソリンスタンドまで遠い場所も出てきていますし、都市部でも安いガソリンスタンドを求めて車の行列が出来ている光景を見かけます。
EVでも急速充電器のあるところまで走って行って充電するイメージが強いかもしれません。しかしこれは、ガソリン車の不便な習慣を引きずってしまっています。電気は日本全国どこにでも来ていますので、あらゆる駐車場に充電器があれば「わざわざ電気を入れに行く」ことは不要なはずです。しかも駐車時間が長ければ普通充電器で十分です。メディア等ではどうしても急速充電器の設置が取り上げられがちですが、普通充電器をいたるところに設置することが重要な視点と考えています。
普通充電器と急速充電器はこのように役割が異なりますが、急速充電器だけではなく普通充電器の設置に社会の目が向けられることが必要と言えるでしょう。
まとめ
EV充電器の「普通充電器」と「急速充電器」それぞれの役割についてお答えしてきました。ポイントをおさらいしてみましょう。
- 普通充電器の役割は、目的地や自宅、勤務先等で駐車している間の充電です。
- 急速充電器の本来の役割は、バッテリー残量がほとんど無い緊急時などの充電です。
- 急速充電器の設置に目が向きがちですが、普通充電器を十分に設置していくことが快適なEV社会には必要です。